《神農氏》
本草学の始祖。烈山(現在の湖北省九龍山山麓)に生まれる。伝説によると2700年前のある日、神農氏は森の中を駆け巡り多くの草木を試した。ある時喉が渇いたので茶樹の下でお湯を沸かしていたら、風が吹き、風に揺られ野生の茶樹の葉がお湯の中にひらりと落ちた。暫くするとお湯の水色が黄色味、良い香りが周りに立ち込めた。これを飲んだ神農氏は気分爽快になり身体が癒され元気になったそうな。また一方で、山野を巡り多くの草木を試し多くの毒に当たり、その度にお茶を飲み解毒したとも言われている。
神農氏の功績とは、尝百草、立暦日、立市場、制五弦琴、制陶器などと伝えられている。
《神農本草経》載曰:“神农尝百草,一日遇七十二毒,得荼而解之”
《神農食経》載曰:“荼茗久服, 令人有力, 悦志”
《茶経》記載:“茶之為飲,発乎神農氏”
陸羽が著した書物である「茶経」の中に、「初めてお茶を飲んだひとは神農氏である」との記載がある。